無節操一代女のつれづれなる萌ブログ
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三太郎はおかしそうに笑うと、ふらふらと手を振った。
「早合点するな。…んー、結論から言うとだな」
「うん」
「実はおれも覚えてない」
「はあ?」
不知火の顎ががくんと落ちる。一方の三太郎は、何やらバツが悪そうにぼりぼりと頭を掻いた。
「お前が酔っ払って土井垣さん好きだーとか騒ぐんで、しょうがなくおれんちに連れて帰ったとこまでは事実だ。お前、ベロンベロンになってたから、もう寝かそうと思って布団敷いてやってたら…」
三太郎はそこで言葉を途切れさせると、不知火をチラリと見た。
「その、まあ、あれだ。もう相手がおれだとか誰だとか、関係なかったんだろうな。つーか、二本足で立ってる生き物だったらなんでもよかったんじゃねえ?そんな感じで、こう…」
「こ、こう?」
「がばちょ、っと」
不知火は、失神しないようにするのがやっとだった。わかっていたことだが、想像するだけなのと言葉で事実を伝えられるのとでは衝撃が違う。
呆然とする不知火をなだめるように三太郎は笑って言う。
「まあでも、酒が入ればよくあることだ。そんな深刻に気にする事でもねえ。おれも気にしてないし」
だが、不知火の顔色はどんよりと澱んだままだった。いくら酔っていたとはいえ、こんなヒゲ面のむさ苦しい男に襲いかかるなんて、見境ないにも程がある。獣以下だ。虫だ。蝿以下だ。
これならばいっそ、傷物にされていたほうがなんぼかマシだったかもしれない。屈辱は屈辱だが、被害者面はできる。アドバンテージはこちらにある。だが、加 害者となると話は別だ。迷惑をかけた上に傷物にするなんて、ゴメンナサイ許シテクダサイですむ話ではない。これはもう責任問題だ。
だがしかし、 相手が女であれば責任とって嫁にもらうこともできるが、三太郎じゃそういうわけにもいかない。ここは金しかないか。しかしこれでは、あまりにも「金で解決 しました」過ぎて、誠実さに欠ける気がする。大体、給料は三太郎の方が上のはず。やはりここは一生面倒見ますくらいのことは言わないといけないのではない か。嫁にもらうことも嫁に行くこともできないが、最低限ご両親に挨拶くらいは必要だろう。精一杯の誠心誠意だ。 ああ、土井垣さん。おれにはもう、あなた を想う権利はありません。守は汚れてしまいました。
ずうううんと落ち込む不知火の顔を三太郎は覗き込む。
「おーい、不知火よ。大丈夫か?」
「…」
俯いたまま顔を上げない不知火を、三太郎はしばらく見つめていたが、小さくため息をつくとゆっくりと諭すように言った。
「あのな、不知火…一応、言っといてやるけど、お前が心配するような最悪な事態にはなってないと思うぞ」
「なんで?」
弾かれるように不知火は顔を上げる。
「お前覚えてないんだろ?わからんじゃないか!」
「大体分かるっての。…一応、確認してみたが、そういう事やっちゃった痕跡は見当たらなかった。ティッシュも減ってなかったし、おれもケツ痛くって歩けませーん、ってこともない。だから、そこは安心しな」
「じゃ、じゃあなんで二人とも服脱いでたんだ?一体何の意味があって?」
「それは…知らん」
「何故そこで一瞬間が空く??」
「早合点するな。…んー、結論から言うとだな」
「うん」
「実はおれも覚えてない」
「はあ?」
不知火の顎ががくんと落ちる。一方の三太郎は、何やらバツが悪そうにぼりぼりと頭を掻いた。
「お前が酔っ払って土井垣さん好きだーとか騒ぐんで、しょうがなくおれんちに連れて帰ったとこまでは事実だ。お前、ベロンベロンになってたから、もう寝かそうと思って布団敷いてやってたら…」
三太郎はそこで言葉を途切れさせると、不知火をチラリと見た。
「その、まあ、あれだ。もう相手がおれだとか誰だとか、関係なかったんだろうな。つーか、二本足で立ってる生き物だったらなんでもよかったんじゃねえ?そんな感じで、こう…」
「こ、こう?」
「がばちょ、っと」
不知火は、失神しないようにするのがやっとだった。わかっていたことだが、想像するだけなのと言葉で事実を伝えられるのとでは衝撃が違う。
呆然とする不知火をなだめるように三太郎は笑って言う。
「まあでも、酒が入ればよくあることだ。そんな深刻に気にする事でもねえ。おれも気にしてないし」
だが、不知火の顔色はどんよりと澱んだままだった。いくら酔っていたとはいえ、こんなヒゲ面のむさ苦しい男に襲いかかるなんて、見境ないにも程がある。獣以下だ。虫だ。蝿以下だ。
これならばいっそ、傷物にされていたほうがなんぼかマシだったかもしれない。屈辱は屈辱だが、被害者面はできる。アドバンテージはこちらにある。だが、加 害者となると話は別だ。迷惑をかけた上に傷物にするなんて、ゴメンナサイ許シテクダサイですむ話ではない。これはもう責任問題だ。
だがしかし、 相手が女であれば責任とって嫁にもらうこともできるが、三太郎じゃそういうわけにもいかない。ここは金しかないか。しかしこれでは、あまりにも「金で解決 しました」過ぎて、誠実さに欠ける気がする。大体、給料は三太郎の方が上のはず。やはりここは一生面倒見ますくらいのことは言わないといけないのではない か。嫁にもらうことも嫁に行くこともできないが、最低限ご両親に挨拶くらいは必要だろう。精一杯の誠心誠意だ。 ああ、土井垣さん。おれにはもう、あなた を想う権利はありません。守は汚れてしまいました。
ずうううんと落ち込む不知火の顔を三太郎は覗き込む。
「おーい、不知火よ。大丈夫か?」
「…」
俯いたまま顔を上げない不知火を、三太郎はしばらく見つめていたが、小さくため息をつくとゆっくりと諭すように言った。
「あのな、不知火…一応、言っといてやるけど、お前が心配するような最悪な事態にはなってないと思うぞ」
「なんで?」
弾かれるように不知火は顔を上げる。
「お前覚えてないんだろ?わからんじゃないか!」
「大体分かるっての。…一応、確認してみたが、そういう事やっちゃった痕跡は見当たらなかった。ティッシュも減ってなかったし、おれもケツ痛くって歩けませーん、ってこともない。だから、そこは安心しな」
「じゃ、じゃあなんで二人とも服脱いでたんだ?一体何の意味があって?」
「それは…知らん」
「何故そこで一瞬間が空く??」
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