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無節操一代女のつれづれなる萌ブログ
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そんな感じです。

「あれだ。とりあえず、一回落ち着け」
きゅうすから茶をとぽとぽと注ぎつつ三太郎が話し掛けても、不知火は頭を抱えたまま顔を上げようとしなかった。
「しかし、帽子置いて来ててよかったよなあ。お前だってばれたらえらいことになってたぞ」
「…」
「ま、でもあんまり気にすんな。飲み屋のオッサンも、100%ギャグだと思ってたし、他の奴ら誰もいなかったし」
すると、いきなり弾かれたように不知火は顔を上げた。
「この事は…」
「ん?」
「この事は…他の奴らには絶対に…」
「言わねーよ。つーか、言うまでもないっつーか…」
「は?」
「いやまあ、とにかく」
喉の奥で小さく咳ばらいし、三太郎は続けた。
「でまあ、そんな感じでお前も出来上がっちまったもんだから、送ろうにもお前んち知らないからとりあえずおれんち連れて帰ったわけ。結構骨が折れたぞ、お前みたいなでかい男抱えて歩くのは」
「すまなかった…」
不知火はたくましい肩を縮こませながら小さな声で謝った。聞けば聞くほど自らの恥ずかしい所業を並べ立てられて、不知火は正直涙目で「私が悪うございました。もう勘弁して下さい」と土下座でもしたかった。
「家についたらついたで、気持ち悪いつっていきなり人の背中でゲロりやがって、しょーがねえから服脱がせておれの服と一緒に洗濯機ほりこんで、布団しいて寝かせて、そこらへんでおれも力尽きた。…てーのが、事の顛末だ」
不知火はもう、穴があったら入りたいを通り越して、地球の裏側まで潜り進んで貫通した後宇宙の彼方まで飛んでいってしまいたかった。もし今ここに恐怖の大王が訪れて世界の終わりを告げたとしたら、喜んでそれを受け入れるだろう。
誰にも知られる事もなく(注:と不知火だけは信じている)大事に大事に秘めてきた恋心を、デリカシーのかけらもなく晒してしまった。しかも元明訓に。さら にその上いくつかの恥ずかしい借りまで作ってしまっている。できるものなら夕べの自分を締め殺したい。それができないのなら、いっそ目の前のこの男を…
「おいおい、目付きこえーぞ不知火」
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